ベタは、優雅なヒレがとても美しく、品評会が行われるほど愛好家の多い魚です。
ここでは、ベタの飼育に最低限必要な知識と飼い方のポイントについてご紹介します。

ベタとは
ベタとは、タイのメコン川が原産地の魚で、スズキ目、キノボリウオ亜目、オスフロネムス科・ゴクラクギョ亜目に属する淡水魚です。
体長はオスで6~7センチ、メスはひと回り小さい4~5センチとなっており、淡水魚ではほとんど見られない「ラビリンス器官」という不思議な器官を持っています。
オスのほうが優雅なヒレを持っており、良く出回っているのもオスが多くなっています。
寿命は飼育下で4~5年と言われていますが、飼育環境が様々な現在ではさらに長生きすることもあります。
ベタの持つ「ラビリンス器官」とは
ベタは、ろ過装置がなくても飼えるため、アクアリウム初心者でも比較的飼いやすい魚です。
その秘密が、ベタの持つラビリンス器官という部分にあります。
このラビリンス器官というのは、ベタのエラの上皮に存在し、変形・発達してできた器官です。
ベタはこの器官を使って空気中から直接酸素を取り込むことができるようになっています。自分で水面に上がって呼吸ができるということです。
水質と水温が適切であれば小さなガラス瓶でも飼うことができるようになっているのはこのラビリンス器官があるためです。
ベタの種類と飼い方について
ベタという魚には、大きく分けて2種類のタイプが存在します。
一つ目が、ショーベタと言い、ベタの品評会用に飼育されるタイプで様々なブリードをされます。
二つ目が、トラディショナルベタやクラウンテール、ハーフムーンといった、主に一般家庭での飼育を目的としてブリードされているタイプです。
品評会では、ベタの色味や大きさが競われており、愛好家はこの品評会を目指してベタを飼育しています。
品評会に出るようなベタでも、トタディショナルベタのように一般家庭で飼育されているような手に入りやすい品種もいます。
家庭飼育向けのベタは、主に体色によって名称が違っており、ヒレの形も少しずつ違い、気の荒さにも違いがあります。
ベタの基本的な飼い方
ラビリンス器官をもつベタは、初心者でも非常に飼いやすく、小さな水槽でも気軽に飼うことができます。
ホームセンターなどでよく見かけるような、金魚鉢で飼育されているベタもいるほど、体が丈夫でろ過装置が必要ないと言われています。
しかし、長生きさせたいときやのびのびと飼育したいときは、20~30センチ水槽を用意して、ヒーターやろ過装置も通常の熱帯魚飼育と同じような環境を作るといいでしょう。
水質は弱酸性を好みますが、劣悪な水質でない限り飼育にはあまり問題はありません。
飼い方の注意点とベタの繁殖について
ベタのオスは、闘いを好む傾向がとても強く、基本的には一匹で飼育します。
他の魚との混泳にも向きません。
オス同士はずっとケンカをするので、オス同士を一緒に飼うことがほとんど不可能なので注意が必要です。
メスとペアで飼う場合でも、オスは大変気が荒いため、繁殖目的がなければ別の水槽で飼うことが大切です。
単独飼育が基本なのでベタは人にもよく慣れます。
ベタの繁殖は比較的容易です。
ただし、繁殖行動がとても激しく、ペアリングがうまくいくと、メスの体にはかなり負担がかかってしまいます。
オスが卵や稚魚を育てるので、繁殖させたい場合はペアリングが上手くいったあと、水面に泡の巣が確認できた時点でメスを必ず隔離し、子育てはオスに任せます。
まとめ
ベタは単独飼育が基本の魚です。
人にもよく慣れるため、美しさを鑑賞したい場合はヒレの優雅なオスを選び、じっくりと愛情を注いであげてください。