エンゼルフィッシュは、熱帯魚の中でも知名度が高く、画像などでもよく見かけるトロピカルな雰囲気溢れる魚です。
今回は、エンゼルフィッシュの生態や基本的な飼い方と育て方について解説します。

エンゼルフィッシュとは
エンゼルフィッシュとは、アマゾン川や南アメリカ北部で幅広く棲息している魚で、スズキ目・シクリッド科に分類される淡水魚です。
横から見た時の三角形に見える体や、長い背ビレや尾ビレが美しいフォルムをしており、他の熱帯魚とは違った魅力のある魚です。
美しい見た目とは違い、雑食に近い肉食で、シクリッド科に属する魚は肉食が主であることが多くなっています。
寿命は、通常飼育で4~6年、飼育環境によってはさらに長生きします。
エンゼルフィッシュの種類と選び方のコツ
現在国内で出回っているエンゼルフィッシュは改良種がほとんどです。
しかし、種類によっては非常に飼育の難易度が高いものもいるため、選ぶ際は注意が必要です。
中でもエンゼルフィッシュの原種に近い、アルタムエンゼルという種類は水質にとても敏感で、一般家庭での飼育が非常に難しくなっています。
スカラエンゼルやエンゼル・ブルーなどの固定品種であれば、一般家庭での飼育難易度がかなり下がるため、一般家庭でのアクアリウムで選ぶエンゼルフィッシュにはこうした比較的飼いやすい種類を選ぶことがコツとなります。
エンゼルフィッシュの基本的な飼い方
エンゼルフィッシュは淡水魚に属するため、水質を選ばない種類であれば基本的な熱帯魚の飼育環境で十分健康に飼育できます。
ただし、ヒレが薄く繊細であり、物理的なことが原因で傷がつきやすいため、環境には注意が必要になってきます。
エンゼルフィッシュは雑食に近い肉食のため、専用のエサを与えることが多く、他の魚のエサでもよく食べます。
水温は25度~30度の間を常に保てていれば問題なく飼育できます。
エンゼルフィッシュに合う水槽とレイアウト
エンゼルフィッシュは、体長・体高が最大で15センチに達し、種類によっては30センチ近くまで育つものもいるため、飼育する水槽と匹数に気をつけるようにします。
30センチ水槽では、体が小さい時期までしか飼育が難しく、できれば初めから60センチ以上の水槽で飼育するようにします。
水槽レイアウトに関しては、たくさんの水草を配置したり、絡まりやすい水草を多用する、水流が強すぎる、ということがあるとエンゼルフィッシュのヒレや体が傷つきやすくなるため、避けるようにします。
なるべく泳ぎやすい環境にすることで、ケガや擦り傷による感染症を未然に防ぐことができます。
エンゼルフィッシュの混泳と繁殖
シクリッド科のエンゼルフィッシュは肉食で、縄張り意識が強い魚なため、混泳には注意が必要です。同じエンゼルフィッシュ同士でも、オスはケンカしやすいのでオスの数を少なくすることは必須です。
他の魚との混泳は、あまりにも小さいサイズの魚やエビは口に入れば食べてしまうため、温厚で、エンゼルフィッシュの口に入らないサイズの魚が適しています。
繁殖についてはさほど難しくなく、増やしたい場合は他の魚との混泳を避け、エンゼルフィッシュのみの水槽を作ると繁殖させやすくなります。
まとめ
エンゼルフィッシュを飼育する際には、多少の注意点があります。
混泳はできますが、単体でも十分に美しいので、初めて飼う人は混泳よりも、まずはエンゼルフィッシュのみでの飼育にチャレンジしてみましょう。